福祉の掲示板
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Jobインタビュー

『摂食障害のご家族を支えている方々を、専門的知識と経験の両面で支えたい。ご家族の明るい未来に向けて、全力でサポートします』さゆりんさん/Jobインタビューvol.11

 今回インタビューさせていただいたのは、『摂食障害のお子さんを持つ親御さん、毎日お疲れ様です。支えるご家族の方々をサポートしたい。』と、ご自身も摂食障害のご家族をお持ちで、摂食障害を抱える方のご家族をサポートし始めたさゆりんさんです。

摂食障害のご家族を支えている方々のサポート:そのきっかけ

管理人

こんにちは!本日は、よろしくお願いします!

さゆりんさんは、お子様の摂食障害でお悩みの親御さんへの支援をされているということですが、きっかけはなんだったのでしょうか?

さゆりんさん

はい、実は私の子どもが摂食障害になってしまったことがきっかけなんです。
本当に突然のことでした。

管理人

そうでしたか。。。

親御さんへの支援していきたいと思えたのは、なぜだったのでしょうか?

ご家族や身近な方が障害や病になったとしても、多くの方々が「そのご家族を支援していこう」となるかというと、そうではないと思うのです。

さゆりんさん

この摂食障害という障害の特性に近いと思いますが、精神的物理的な矛先がその家族や身近な人に向けられることが多くあります。
もちろん原因はありますし、摂食障害になってしまった本人が一番辛いのはもちろんですが、支えたいと願う家族や身近な人の辛さは、経験した私たちではないとわからないことが多いと思うんです。
だからこそ、私が立ち上がらなければならないんです。

幸いにも、私自身が生きづらさを抱えて生きてきた経緯があり、心理学を学び、認定心理士の資格も取得していました。
その経験や資格を活かして、摂食障害の方を支える方々の精神的フォローをしてきたいんです。

管理人

ご家族として経験されてきたからこそ、そして心理学の視点からも考えられるからこそ、支援を思い立たれたのですね。

摂食障害のご家族を支える方々の現状:孤立孤独

さゆりんさん

おかげさまで、今では娘は快方に向かい、将来の夢を語るようになってきていて、私のこの活動にも応援してくれています。ただ、【障害】と診断されてから今に至るまでは、言葉では言い表せないほどの大変な日々でした。

管理人

よろしければ、摂食障害になってしまった方々の現状をお聞かせいただけますか?

さゆりんさん

やはり本人もそうだと思いますが、家族もとても孤独です。
お子さんが摂食障害になった場合、身近なお母様が1人で支援に当たることも少なくありません。
そうなると、まずは家族からの孤立。ママ友からの孤立。社会からの孤立。
さまざまなところからの孤立に苦しみます。

管理人

孤立・孤独は、生きていく上で大変辛いことかと思います。

どのように孤立してしまうのでしょうか?

さゆりんさん

私の場合、はじめは他の家族からの理解が得られず、家族の中で母親である私1人で支援していました。
他の家族の理解を得られるように奮闘するも、なかなか協力してもらえなかったり、摂食障害を理解してくれようとしなかったり。
医療機関からの指示と娘の思いに挟まれての孤独もありました。

仲の良かったママ友と会っても、自分と同年代の子供たちの成長や楽しそうな家族の話を聞くと、「それに比べて、うちの家族は。。。」と気持ちが塞いでしまったり、自分の家族の話をしても理解してもらえないだろうという悲しい気持ちになってしまったり。
結局、疎遠になってしまうことも。

「摂食障害の話をしてもわかってもらえないだろう」
「摂食障害に苦しむ家族の愚痴を誰も聞きたくないだろう」
という思いが先行してしまい、職場仲間や旧友にも口を閉ざし、どんどん孤立していきました。

管理人

摂食障害のご家族の方々が相談するような場はないのでしょうか?

さゆりんさん

はい、家族会というものがあります。私の場合は、幸いにも自宅からそう遠くない場所で、家族会が実施されていたり、権威ある方がその家族会を主催していたりなど、恵まれていたと思います。ただ、全国には少なく、家族会の度に遠方からいらっしゃる方も少なくありません。

個人的には、家族会に大変お世話になりました。
やはり私も孤立していたため、月に一度の家族会では、多くのアドバイスを頂いたり、仲間と現状を伝え合ったりと大変支えていただき、感謝しかありません。

ただ、家族会は月に一度ですし、なかなか常に誰かに寄り添ってもらえているという感覚までには至りませんでした。

管理人

確かに、孤立した状況で、誰かに気持ちを吐露したいというなか、月1回ですとなかなか頻度としては厳しい印象です。

日々の生活があるなか、月2回以上集まるというのも難しいところもあるかとは思いますが。

さゆりんさん

そうですね。
この経験を踏まえて、いつでもどこでも繋がれるオンラインでの支援を展開することで、この問題をクリアにしていきたいと考えています。

摂食障害に関する社会的課題:医療機関との繋がり

さゆりんさん

また、理解ある医療機関とつながることができるかという課題が大きいと感じています。

これに関しても、私たち家族は恵まれており、家から遠くない医療機関で専門医に出会うことができましたが、多くの方々がそうではありません。

管理人

摂食障害ですと、心身ともにサポートが必要な印象がありますが、専門医や専門医療機関は少ないのでしょうか?

さゆりんさん

はい、そうなんです。

そもそも国内に摂食障害の専門医・専門医療機関が少ないのが現状です。
さまざまな情報を伝って医療機関に繋がったとしても、診れないと門前払いをされたり、さまざまな医療機関をたらい回しにされたり、入院に至ったとしても数値のみの改善で退院を強いられたり。

摂食障害が認知が低く、患者数が少ないことは否めませんが、この部分も取り組むべき社会課題と捉え、今後アプローチしていきたいと思っています。

適した専門医・専門医療機関と、苦なく繋がれるような社会づくり、コミュニティ作りも目指せたらと考えています。

今後の活動と、皆さんへのメッセージ

管理人

先ほど、今後のお話もありましたが、どんな活動をされていく予定なのか、ぜひ詳細を教えてください。

さゆりんさん

今は、SNSやホームページを通じて、個別にご相談を頂戴したり、摂食障害の家族をお持ちの方の体験談などをお伺いしています。

今後は、SNSやYouTubeなどで摂食障害における専門的知識や認知行動療法について発信したり、ご家族が繋がれるようなコミュニティ作りをしていく予定です。

摂食障害のご家族をお持ちの方で、話を聞いて欲しい、こんな情報があったら良かったなどのご意見のある方は、ぜひ一度ご連絡ください^^

私たちの経験が、今悩んでいるご家族の方々に届くことを切に願っています。

管理人

お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!